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311の教訓は活かされるのか。現状の津波対策


海岸の地域は津波の被害に備えて様々な対策を行っていました。しかし、その対策は311の時には効果を発揮できませんでした。現在は311を教訓にした津波対策が講じられていますが、具体的にはどういった対策を行っているのでしょうか。

311以前の対策

311のような大規模な津波がくる前は津波の被害の想定も低く設定されていました。当時の津波予測値の例として東京都豊洲で50cm未満、東北地方沖地震ではもっと低く見積もって対策を講じていました。
また、津波の被害が予想されるときには水門を閉める必要がありますが、そのために多くの消防団員が犠牲になりました。災害時に自動あるいは遠隔操作で閉めることができる水門は、建設費用などの関係からまだまだ普及していなかったので、人力で閉める必要があったり、遠隔操作ができるのに通信設備が壊れたままだったりしました。311以前の津波対策は被害や災害の規模の想定の低さから鑑みるに、あまり適切なものだったとはいえないようです。

津波対策:国

以前までの津波被害の想定と、実際に起きた大規模な津波被害とのギャップの大きさから、国は津波対策の見直しを行いました。地域ごとに「ハザードマップ」を作成することで、予めどこにどれくらいの被害がでることが分かるようにして、しっかりと津波対策を講じるようによびかけていますが、まだまだハザードマップの普及が十分ではないため、国側からの技術的な支援などが待たれています。
また、地域ごとに想定津波高を算出して海岸堤防・護岸の整備を行うように指示していますが、全国の海岸保全施設延長約1万5千kmのうち、約17%は想定津波高よりも低く、約24%は想定津波高が未設定か調査未実施という結果もあります。
地域ごとの実情に合わせて着実に対策を進めるように任せていますが、まだまだ国側にも地域ごとにも課題が山積みであるように思えます。

っ津波対策:原子力発電所

311で大きな問題になったことは津波の被害を受けた原子力発電所の事故もあります。
日本の原子力発電所は海水を利用したシステムを採用しているため、すべて海沿いに建設されています。
しかし、311では海沿いに建設していたことが問題になったため、事故の後、各原子力発電所は津波対策や浸水対策を進めています。

関西電力

関西電力には高浜発電所、大飯発電所、美浜発電所の3つの原子力発電所があります。
震災後はそれぞれに津波対策と浸水対策を施しました。
特に、福島第一原発事故を踏まえた防潮壁を超えて施設内に浸水した津波から施設を守る「防護壁」と、非常用ディーゼル発電機などが津波によって機能を喪失しないようにする「水密扉」は事故からの教訓を活かした良い例だといえます。

東京電力

事故のあった福島第一原子力発電所は長らく続く復旧作業とともに、もう一度大規模な地震や津波に備えた対策を行っています。
津波対策はいくつか既に完了していて、原子炉へ注水をしている全ての原子炉注水ポンプや非常用電源を含めたいくつかの設備を高台へ移設し、以前までのトレンチ立坑を閉塞して海抜10m盤に仮設防潮堤(高さ約2.4~4.2m)を完成させるなどの作業が行われました。

また、福島第一原発事故で問題になった電源や水源の喪失や注水ポンプの破損などがあったケースも想定した万が一のときの備えも、以前よりも力をいれて配備し、災害時にもある程度は対応できるようになっています。

おわりに

今回は311以降の津波対策について紹介しました。
震災以前はかなり低く被害を見積もっていましたが、現在はそこから多くを学び、しっかりした津波対策が各地で執られています。
今後も費用や技術的な万などの課題が多くでてくると思いますが、国や自治体には311の出来事が二度と繰り返されないようにしっかりと災害対策を充実させて欲しいと思います。

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放射能と汚染問題

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福島第一原発事故は私たち日本人にとって放射能の脅威を知るきっかけになったかもしれませんが、過去にはチェルノブイリ、スリーマイルといった場所でも原発事故が起こっています。このサイトでは世界のエネルギー問題と放射能との関係性についてまとめたものをご紹介しています。