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どうして東京の水道水は放射能汚染されているという懸念があるのか


福島第一原発事故が起きて以来、様々な場所で放射性物質が検出されるようになりました。その中には水道水の源流になっている地域も含まれているため、福島だけでなく東京の水道水も危険だという噂もあります。
被害地から数百キロも離れているのに、なぜ東京の水道水は汚染されていると言われているのでしょうか。

東京の水道水はどこからくるのか

そもそも東京の水道水はどこからくるのでしょうか。東京の水道水の元になっているのは利根川及び荒川水系が約8割、多摩川水系が約2割にその他が3%ほどとなっています。昭和30年代までは多摩川水系だけで賄っていましたが、周辺の人口の増加などを背景に水の需要が増加したため利根川水系を開発して対応し、現在は利根川水系の割合の方が高くなっています。
水道水が放射能汚染されている懸念は主に利根川や荒川、東京湾など中心に放射性物質がかなり高い数値で観測されたことがあるためだとしています。特に利根川では釣りをした際には釣った魚(ウナギなど)は国の基準値を超える『セシウム』が観測されたため、釣れた場合はすぐにリリースするか持ち帰る場合も食用や販売にはしていけないとされました。では本当に水道水は放射能汚染されているのでしょうか。

放射性物質セシウムとは

福島第一原発事故で周囲に拡散していった放射性物質はキセノンやヨウ素などいくつか種類があり、セシウムもそのひとつです。事故後に観測されたものは「セシウム137」と呼ばれるもので、水に溶けやすい性質をもっています。
人の身体に吸収された場合は筋肉に集まり特徴があり、特に心筋細胞に集中するので心筋障害や不整脈を誘発する危険性があります。また、放射性物質はそれぞれ「半減期」という放射能を放つ力が半分になる期間が決まっていて、セシウム137は半減期が30年もあることも危険だといわれる要因のひとつになっています。
一方でセシウム137は体内に入っても尿などを介して量が少なくなったり、マスクをして侵入を防ぐことができたりと減少のスピードが早いともされている物質です。

水道水の安全性

あまり知られていませんが、実は日本の水道水の安全性は世界でもトップクラスといえます。日本の厚生労働省と水道法によって定められている「水道水質基準」は何度も改定され、水質の管理に余念がありません。
さらに「要検討項目」を設けることで、今後危険であると判明した物質にも対応できるように47項目の情報や知見のための項目もあり、今後も逐次改定される可能性があります。
肝心の水質基準も「WHO」が国際的に規定されている数値よりも厳しく定めていることに加えて、放射性物質の検査も行っているので日本の水道水は安全であるといえます。

注意点

水道水を安全に使用するにはいくつかの注意点があります。まず、汲み置きの水やマンションなどに設置されている貯水層の水の場合は注意しなければいけません。水道水には塩素が含まれていて、独特の「カルキ臭」のもとであるとともに水道水を安全に届けるために必要なものになっています。この塩素が放置や煮沸をすると揮発してしまうため雑菌が繁殖しやすくなってしまうので、早めに使用するか長く汲み置きした場合は飲用以外に利用しましょう。貯水層の中の水も同様に長期間汲み置きしている状態のため、安全に利用するためには定期的にメンテナンスを依頼することが重要になります。

また、乳幼児のミルクをつくる際には水道水を利用しない方がいいとする意見もあります。放射性物質の数値が問題ないとはいえ、子どものことを考えると不安になるものです。そういった場合は市販の軟水を使ってミルクをつくることで、大人よりもデリケートな乳幼児でも安心して飲めるようになります。

おわりに

今回は水道水が放射汚染されている懸念について説明しました。事故後しばらくの間は市販の水が売り切れるほどの数値が観測されていましたが、現在はかなり落ち着いているようです。日本の水道水は今後も新しい技術の導入や水質基準の改定などで安全性が向上していくものと思われます。

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放射能と汚染問題

放射能と汚染問題

福島第一原発事故は私たち日本人にとって放射能の脅威を知るきっかけになったかもしれませんが、過去にはチェルノブイリ、スリーマイルといった場所でも原発事故が起こっています。このサイトでは世界のエネルギー問題と放射能との関係性についてまとめたものをご紹介しています。