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フクシマから知る原発事故が起こった際に放出される汚染物質


福島第一原発事故によって、原子力発電所の事故が起こると著しい量の危険性の高い汚染物質が放出されることが人々に知れ渡りました。汚染物質のほとんどが人体に悪影響を与えるものですが、どれほどの種類があるのでしょうか。
今回は原発事故によって放出される汚染物質について紹介します。

汚染物質の主な種類

福島第一原発事故を例にとると、原発事故が起きた際に周囲に放出される汚染物質にはいくつかの種類があり、それぞれ危険性にも差があることがわかります。放射能汚染の主な原因となる主要三核種を中心に紹介します。

セシウム137

主要三核種のうちのひとつであるセシウム137は、ウラン燃料が核分裂を起こしたときに放出される放射性物質です。セシウム系の多くは水溶性で、人間の身体に吸収されると筋肉に集まりやすい性質をもっています。
特に注意すべきとされているのは、放射性物質がそれそれ定められている、放射線を放出する量が半分になるまでの期間「半減期」が約30年とされているため、非常に長い点です。
一方で、人体に吸収された場合は尿などを介して体外に放出されやすく、若年だと19~57日、老年だと80日~110日といったふうに年齢によっては内部被曝を受ける期間が短くなっています。
しかし、がんや遺伝子の変化の原因になることや、女性であれば乳がんや子宮がんの要因になるケースもあるそうです。放射性同位体であるセシウム134性質もよく似ていて、こちらも主要三核種のひとつです。

ヨウ素131

ヨウ素131も主要三核種のひとつで、ウラン燃料が核分裂を起こした時に放出されるガス状の放射性物質です。甲状腺が機能するためにはヨウ素を必要としており、ヨウ素の放射性同位体であるヨウ素131も甲状腺に集まりやすい性質があります。吸収されずに排出されることもありますが、長期間に渡ってヨウ素131が体内に蓄積した場合は甲状腺ガンや甲状腺肥大を発症する原因になります。半減期は80日と比較的短い部類になります。
福島第一原発事故と同じく原発事故の被害が最悪とされる「チェルノブイリ事故」でも確認され、周辺では小児甲状腺ガンの発症件数が上昇しました。

プルトニウム

プルトニウムはウランの一部が変化して生まれる放射性物質で、原発事故で放出された物質のなかではダントツで危険性が高い物質です。半減期は一番長いプルトニウム239で約2,4万年と桁違いの長さで、元々は同じ物質のウランと比較しても放射能が数万~数十万倍あるため放射性毒性もかなりの強さがある放射性物質です。消化器官に入った場合はほとんどが排出されますが約5%ほどが肝臓や骨などに蓄積され、長期間排出されずに体内にとどまります。
そして、一番厄介なのは肺から取り込んでしまった場合で、長期間肺に留まったり、胸のリンパ節に移動したり、骨や肝臓に移動したりと全身に悪影響を及ぼすようになります。主に肺ガン、肝臓ガン、白血病などの重篤な病気を発症する原因になります。

現在の除染状況

被災した頃と比べると放射性物質の除染はかなり進んだといえます。居住可能区域もだいぶ広がり、避難生活が続いていた人も少しずつではありますが戻りはじめています。
しかし、依然として放射性物質への過剰な反応や風評被害は続いているようにみえます。地域自治体だけでなく、国も協力して安全性をPRしていくことが人々の放射性物質への意識を変える働きとなっていくと思われます。

おわりに

今回は原発事故によって放出される汚染物質について紹介しました。プルトニウムなどは放射性物質のなかでは重たい部類に入るので、事故があった周辺の一部でしか確認されていません。その他の物質に関してはほとんどが体外に排出される性質があるので、過剰に健康被害危惧をする必要はないと思います。

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放射能と汚染問題

放射能と汚染問題

福島第一原発事故は私たち日本人にとって放射能の脅威を知るきっかけになったかもしれませんが、過去にはチェルノブイリ、スリーマイルといった場所でも原発事故が起こっています。このサイトでは世界のエネルギー問題と放射能との関係性についてまとめたものをご紹介しています。