Cooling towers of the nuclear power plant

福島第一原子力発電所事故とはなんだったのか。概要と経過


東北地方太平洋沖地震と地震によって発生した津波が福島第一原子力発電所を襲い、放射性物質の流出や炉心融解といった私達の生活にも大きな影響与えた事故からかなりの時間が経ちました。しかし、現在でも引き続き、福島第一原子力発電所は廃炉に向けての活動が続いています。今回は一連の事故について改めて紹介します。

概要

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生した時は福島第一原子力発電所は1~3号機は通常通り稼働していました。4号機は分解点検中、5号機と6号機は定期検査中の状態で、地震を感知して1~3号機は自動で停止しました。この時に非常用の電源に切り替わりましたが、50分後に押し寄せてきた14~15m(コンピューター解析では13m)の大規模な津波によって故障し、他の電気設備や燃料タンクなどの設備も損傷や流出したことによって「全交流電源喪失状態」に陥りました。
全交流電源喪失状態になったことにより、直前まで稼働中だった1~3号機を冷却することができず、核燃料が自身の熱で溶け出す「炉心融解(メルトダウン)」が発生、続いて燃料の高熱に格納容器が耐え切れず、溶解損傷したことで燃料が一部漏れ出しました。
また、1~3号機内ではメルトダウンの影響で水素が充満していて、ガス爆発を起こして大破しました(4号機は他から配管を経由して充満したとみられています)。このような経緯を経て、今までに例のない大量の放射性物質の流出を伴った前代未聞の大事故となったのです。

事故の原因

ここまでの大規模な事故が起きた原因として、東京電力は予測不可能なほどの津波をあげています。原子力発電所は、冷却に使用する冷却水を冷やすために海水を利用するため、どうしても海岸沿いに建設する必要がありました。
建設のときも入念に文献や断層モデルなどを使って検査し、対策も準備していました。しかし、その予想よりも大規模な津波や全交流電源喪失状態などの想定外のことが積み重なったために、被害が増大したと言われております。
一方で「人災」の面も多くあったとされています。緊急時における設備への対応に関する連絡が十分でなかったり、適切な対応ができていなかったりと対策が本当に十分であったのかが問われています。

生活への影響

事故によって大量の放射性物質が流出し、福島県や関東地域の放射線量は事故直後から数日でピークになりました。大気や土壌からは原発事故に由来するヨウ素131、セシウム134、セシウム137などの放射性物質が確認され、水道水や食品類への影響が日本中で懸念されていました。ヨウ素131は吸収されずに排出されますが甲状腺にあつまりやすく、長期間蓄積すると甲状腺ガンの原因になるリスクがあります。
また、セシウム137は筋肉に集中します。
放射性物質はかなりの量が流出しましたが、害が少なくなる半減期が早かったり、体外に排出されやすかったりと大きな健康被害をもたらさないといわれていますが、人々の反応はかなり大きなもので、しばらくの間は福島周辺の食材は購入されないなどの風評被害が続いていました。

現在

現在は廃炉に向けた活動が続けられています。敷地内の放射線量は一時はかなり高い数値が観測され、完全防護服でなければいけませんでしたが、現在は防塵マスクだけで敷地内の約90%は問題なく歩ける状態にまで落ち着きました。事故の処理が少しずつ進行していく一方で課題も多く発生しています。一番の懸念事項は、1日300トン発生する汚染水への対応です。未だに汚染水が増え続ける理由は、地下水が原子炉建屋に入り込み汚染水に変化しているためです。廃棄の方法はもちろん、これ以上増やさないための方策がとられていますが、大量にある汚染水を貯めたタンクをいかにして安全に廃棄するのかが大きな問題になっています。

おわりに

今回は福島第一原子力発電所事故について改めて説明しました。廃炉へ向けての本格的な活動はまだまだ続くので、今後の動向にはしっかり注目しましょう。

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放射能と汚染問題

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福島第一原発事故は私たち日本人にとって放射能の脅威を知るきっかけになったかもしれませんが、過去にはチェルノブイリ、スリーマイルといった場所でも原発事故が起こっています。このサイトでは世界のエネルギー問題と放射能との関係性についてまとめたものをご紹介しています。